オンライン展示会の今後を考える
おはようございます^^
中小企業向け販路開拓コンサルタント・展示会活用アドバイザーの大島節子です。
今日は良いお天気になるそうですが、その分、たっぷりと花粉が飛びそう…。そんな早朝の大阪から今朝も展活タイムズをお届けします。
2020年度はオンライン展示会元年
3月半ば。激動の2020年度が終わろうとしています。2020年度という年は展示会界にとって試練の年でした。相次ぐ展示会の中止や延期。出展見合わせ。そんな中で新たに出てきた概念がありました。それが“オンライン展示会”。秋ごろから冬にかけて日本各地でオンライン展示会の実験と検証が繰り返されました。この1年、できる限り多くのオンライン展示会を視察してきた中で見えてきたことを今日はまとめていきたいと思います。
オンライン展示会は大きくわけると3つの型に分類できることがわかってきました。
1.ウェブサイト型
まずはウェブサイト型。メッセナゴヤオンラインやテクニカルショウヨコハマ、モノづくりフェア(九州)等がこれにあたります。従来のリアル展示会の出展社情報ページに動画掲載やオンライン商談予約、チャット機能などを持たせたかたちです。
2.ヴァーチャル型
次にヴァーチャル型。リードジャパン系のすべての展示会、ローカルでは産業交流展(東京)や京都ビジネス交流フェア等がこれにあたります。ネット上に仮想空間を構築し、来場者はまるで展示会会場にいるような感覚でヴァーチャル会場を回遊できます。ブースもリアル展示会ブースを模したヴァーチャルブースが用意されています。オンライン商談までできるものもあれば、オンライン商談予約までしかできないものもありました。
参考
>>ヴァーチャル産業交流展2020 レポ
>>京都ビジネス交流フェア2021 レポ
3.ウェビナー型
最後にウェビナー型とはライブ配信型オンライン展示会のことです。燕三条ものづくりメッセや先日の日本の製造業の未来展がこれにあたります。出展企業がリアルタイムでプレゼンテーションを行い、オンライン商談予約ではなく、その空間の中でオンライン商談ができるタイプの展示会です。オンライン展示会用に開発されたプラットフォームを使用して開催される場合が多いようです。燕三条ものづくりメッセは「EventHub」、日本の製造業の未来展は「reBako」というプラットフォームを使用していました。
参考
>>燕三条ものづくりメッセ2020 レポ
>>日本の製造業の未来展2021春 レポ
今後も残ると考えられる型と課題
オンライン展示会元年である2020年度は上記のように3つの型のオンライン展示会が登場しましたが、この中で今後も活用され続ける型として残るのはどれでしょうか?
あくまでも私の予想ですが、今後、オンライン展示会の型として残り、発展していくのは3のウェビナー型だけだと考えます。
1のウェブサイト型、2のヴァーチャル型はそもそも機能的にウェブサイトに勝つことが難しく、グーグルで検索したほうが望む結果が得られることもありました。また期間も長いのでいつでも見れると思って放置しているうちに開催期間が終わっていたという声も多くありました。なのでリアル展示会と併設のハイブリット型展示会にて、遠方で会場に行けない方や、今後のコロナの動向次第でやむを得ず開催が中止になってしまった時の受け皿として存続するかと。オンライン展示会単体での定着は難しいと考えます。
一方でウェビナー型は「その時、その場所でしか」得られない情報がある、という印象付けが可能なのです。燕三条ものづくりメッセも日本の製造業の未来展もどちらもプラットフォームは非常によくできていると感じました。
ただ、出展者が成果を出すには主催者の集客力が弱く、そもそもの母数がリアル展示会に比べるとまだまだ少ない現状があります。また出展者の伝達力が低く、何を出展しているのか分からないバナーやただの会社紹介をプレゼンテーションと呼んでいるのが現状です。
なので今後、主催者はオンライン展示会の集客力を高め、出展社はヴァーチャルブースに適したバナー作りやプレゼンテーションの技術を高めていけば、成果につながるオンライン展示会を育てていくことは可能と考えます。
ただ、今の感触だと3年くらいかかりそうなんですよねぇ…(笑)。なので2021年度に私がやるべきことは企業がオンライン展示会に対応する力をつけるためのノウハウ構築とサポートと、ひきつづきリアル展示会のノウハウブラッシュアップとサポートを両輪でやっていくことなのかな、と思っています。
展示会のこれからについて考える日々は続きます。
まとめ
今朝の展活タイムズはオンライン展示会の今後を考えるをお届けしました。
今日もお読みいただきありがとうございます。
大島 節子
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