地方水族館で見た凄い「伝達力」
おはようございます^^
展示会活用アドバイザーの大島節子です。
寒さがだいぶ緩んできました。そんな早朝の大阪から今朝もブログをお届けします。
ショボい水族館が大混雑!
2月23日(金)に愛知県蒲郡市からのご依頼で展示会セミナーの講師をさせていただきました。この日は泊まりで翌日は大阪に帰るだけだったので早朝から竹島の散歩と朝風呂を楽しませていただいたところまでは昨日のブログに書きました。
今回の蒲郡旅がとても充実していたのは懇親会で地元の皆さんからぜひ行ってみて!と言われて行ったこの水族館の存在も大きかったです。
名前は竹島水族館。外観はどうみてもB級スポット(笑)。聞くところによると水族館としては日本屈指の古さだそうです。私は特に水族館マニアではないので、これまで行ったことがある水族館は大阪の海遊館と鳥羽水族館、白浜アドベンチャーワールドといった有名どころばかり。
それら有名どころと比べるとまず圧倒的に狭いし古い。そして目玉となるようなジンベイザメやシャチなどもいない。いるのは小ぶりの地味なお魚たち。にもかかわらず、午前中の開館直後からファミリー層の顧客で館内は大盛況でした。
人気の秘密はどうやらこちら。飼育員さんたちの手書きの説明パネル。
魚が自分の言葉で自己紹介。魚によってギャルっぽかったり、おっさんぽかったりキャラが違います(笑)。
淡水魚コーナーの魚たちは職員さんがつかまえてきたとか。
こちらはウツボの水槽。大量の土管の間をウツボがくねくねと泳ぐ姿が気持ち悪く、それゆえに興味深く、長時間釘づけになる子供たち。
カサゴは狭いところに入って顔を出す習性があるらしく、その様子を見せるためにブロックで魚マンションを作って展示。マンションには表札があり、「ちねん」「きりやま」「なかま」、、、あ、飼育員さんの中に絶対ジャニオタおるわ、と思ってスタッフ紹介ページを見に行ったらやっぱりいました(笑)。荒木さん、土日休みにくい仕事と思うけどオタ活もがんばってね!(笑)
手書きの履歴書ならぬ「魚歴書」。お魚の出身地や性格・特技がわかります。
来月本になるようです。
カピバラショーも名物だそうですが(水族館でなぜカピバラ? 笑)、今はメスが産休中のためお休み中。その目隠しがブルーシート! 最近は大坂城公園でも見なくなったブルーシート! 手作り感がすごいし、産休中はきちんと休めるホワイト企業。
お土産も独特。職員さん自ら箱詰めをされているそうです。
こじんまりしたショー用のプールではアシカショーが開催されていましたが、席が満席な上に何重にも立ち見のお客さんがいてとても見えません。
こんな大盛況の竹島水族館ですが、かつては人が集まらず閉館の危機だったそうです。小林館長を中心に“お客様目線”の展示に変えたところ、来場者数はかつては年間12万人だったのが39万人まで増えたのだとか。
小林館長のインタビューがウェブ上にありました。>>リンクはこちら。全文興味深いのですが、私が印象に残った言葉はこちら。少し長いですが引用します。
大学3年生のとき、当時は鳥羽水族館(三重県鳥羽市)に勤務していた中村元さんに手紙を書いて会いに行きました。現在はフリーの水族館プロデューサーとして活躍している方です。「生き物を飼うのが小さい頃から大好きだから飼育員になりたい」と伝えたら、「そんな考えはよくないよ」と言われました。魚を上手に飼えたとしても、その魅力を人に伝えることができなかったら飼育員として失格だと。
そういう考え方もあるんだ、と驚きました。飼育員は魚マニアの集まりなので、魚の研究をしていれば幸せなのです。水族館には博物館としての位置づけもあるので、飼って繁殖させて研究することに関心が行きがちで、館内(観覧エリア)に出たがらない。お客さんには「水槽を勝手に見てくれ」という姿勢。中村さんに「それは間違っている」と言われたことが、僕にとってはターニングポイントでした。
これは技術力の高い製造業や研究分野から起業された社長が作られた展示会でもよくあります。すばらしいものなんだから勝手に見てくれ、的な。でもそれでは伝えたい人に伝わる展示にはならないんですよね。
展示会の商品力と伝達力のはなしと同じです。>>商品力と伝達力の話はこちら
悔しい思いをしたりしつつも蒲郡の地域の子供たちのためにに楽しみながらがんばってこられた職員さんたちの努力なしにはこの成功はありえなかったはずです。思わぬ場所で予想外の貴重な体験をすることができました。
まとめ
今朝のブログは地方水族館で見た凄い「伝達力」というタイトルで竹島水族館の見学レポと学びをお届けしました。
今日もお読みいただきありがとうございます。
大島 節子
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